いまや夢物語?公的年金を受け取りながら悠々自適な老後の生活
皆さんが考える“悠々自適な老後”とは、どんな生活ですか?
- 家族や友人と年に1回は旅行に行く
- 時間がたっぷりあるから趣味を充実させる
- たまには贅沢をしておいしいものを食べる
- 孫にお小遣いをあげたり、一緒に出掛けたりする
数年置きに繰り返される年金改正。声高に「100年安心の…」と大改革を行ったのは何だったのか?そう思ってしまうのは私だけでしょうか?
勿論、発表される改正の内容を見れば、私たちにとって決して耳が痛い話ばかりではありませんが、職業柄かどうしても懐疑的に見てしまいます。
かつては全国民一律に決まっていた年金開始年齢は、ご承知の通り「選択制」が導入されている現状ですが、皆さんの周りから「何歳から受け取る?」「後ろ倒しにした方が得するらしいよ!」といった会話が聞こえてくることはないですか?実際、皆さんは何歳から受け取りたいと考えていますか?「後ろ倒しにすれば得」という説については「諸条件が伴うことで」という補足が必要であり、ご自身のケースを役所で確認して判断するのが肝要です。
もし、55歳から年金を受け取れるとしたら?
ご年齢によってはご存じではない方もいるかもしれませんが、かつては55歳から年金を受け取れる時代がありました。
個人が受給する年金の総額は「年金額×年金開始以降の生存年数」になるので、寿命が短ければ総額は少なくなります。また、その年金の財源は現役世代が納めた年金保険料から成る仕組みなので、「年金保険料×現役世代の人口」が影響することになります。
かつては、現在に比べると寿命が短いうえに現役世代の人口も多かったことで成り立っていた訳ですが、では現在の平均寿命は何歳でしょうか?
年金制度が始まったころに比べると30年以上も長生きしていることが分かります。
- 男性:1947年 50.06歳 ⇒ 2020年 81.64歳
- 女性:1947年 53.96歳 ⇒ 2020年 87.74歳
仮に、計算しやすいように年金額を月々10万円とした場合、30年間分の年金総額はいくらになるでしょうか?
- 月々10万円×12ヶ月×30年=3,600万円
実に、国民一人あたり3,600万円もの年金原資を確保する必要がある計算になります。
こうして昔と今を比較してみると、年金財源が逼迫していることも必然であることが分かると同時に、今後益々“少子高齢化”が進むことを考えれば、どうしても「国の政策にも限界があるのでは…?」と考えさせられてしまいます…。
悠々自適な生活にはいくら必要?
皆さんが想像する“悠々自適な生活”には、毎月いくらの生活費が必要でしょうか?勿論、その金額には個人差があると思いますが、公益財団法人生命保険文化センターの調べによると平均36.1万円と言われています。
参考までに、高齢夫婦無職世帯の生活費は平均で27万円、単身者の場合でも15万円となっています。
※高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上・妻60 歳以上の無職世帯。高齢単身無職世帯とは、60 歳以上の単身無職世帯。
※参考:家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)/総務省
この内訳を見て注目したいのが「住居費」です。
いずれも13,000円前後ということは、借家が故に発生する家賃ではなく住居に関する諸経費?あるいはもしかしたらローンの返済?ということが想定されますが、では、もし老後を迎えるまでにマイホームを確保できていなかった場合は…?介護施設への入居を余儀なくされた場合は…?など、さらに支出が増加することを想像すると、悠々自適な生活など夢物語か?と思わされてしまいます。
いつから、いくらの年金額を受け取る予定?
ところで、皆さんは何歳まで働いて、何歳からいくらの年金を受け取って、何歳まで健康で老後の生活を楽しむ予定ですか?
ちなみに、今現在の年金受給平均額は、厚生年金受給者の場合は約14.4万円、基礎年金だけを受給している方の場合は約5.6万円です。
出典:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
表8 厚生年金保険(第1号) 受給権者平均年金月額の推移
表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移
https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf
先行きへの不安からか、頼れる“マイ・ファイナンシャルプランナー”を確保して、パーソナルなデータとご自身が描くライフプランを伝えて「ライフプランシミュレーション」を行う方が増えていると聞きます。
想定される年金受給額とライフスタイルを想定した生活費から生涯収支を計算することで、実際にシミュレーションを行ってみた方の多くは「もっと早くやってもらえば良かったのに」「やはりプロの話は参考になる」と感じているようです。
20代、30代の皆さんは、「そもそも、そんな先の話は…」「また、どうせ制度も変わるだろうし…」と思われるかもしれませんが、それでもライフプランシミュレーションはお勧めします。何故なら、確かに若い皆さんが老後を迎える頃の年金制度は変わっているかもしれませんが、おそらく多くの確率で想定されることがあるからです。
ひとつは、やはり年金だけで悠々自適に生活することは難しいこと。そしてもう一つは、年金だけで足りないとすれば貯蓄しておくことが必然であること。この2点は避けて通れないものと思われます。
仮に、例の「2,000万円問題」をそのまま想定し、老後に向けて2,000万円の貯金を行うとします。皆さんは、月々いくらなら貯金し続けられるでしょうか?そして、何年かけて目標額を貯金しますか?
65歳まで、現在25歳なら40年間で積み立てる場合は月々約4万円を必ず貯金し続ける必要があります。現在35歳の場合は30年間で約5万5千円をひと月も欠かすことなく貯え続けることになります。(※利息は考慮せず)
どうですか?こんな単純な計算結果だけでも見える化するだけで、いま立てる計画が将来に大きく影響することが分かります。
実際のライフプランシミュレーションでは、もっと効率的な資産形成の仕方などをアドバイスしてもらえるはず。皆さんも頼れる“マイ・ファイナンシャルプランナー”を見つけてみてはいかがでしょうか?
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