外貨建て保険とは?外貨の注意点をFPが解説

 

外貨建て保険とは?

「貯金をしていても全然利息が付かないので、他の方法でお金をためたい。」
「投資の経験がない私でも始められる、貯金よりも良いお金の貯め方はないだろうか。」

こんな風に考えたことはありませんか?

ファイナンシャルプランナーの仕事をしていると、このような相談を、20代、30代の方から沢山受けます。

この世代の皆さんは、社会人になって初めてお給料をもらった時からずっと低金利の時代を生きています。そのため、「貯金だと利息がつかない。」「親世代と同じお金のためかたでは全然ふえない。」と、強く感じています。このコラムの読者さんも、「貯金以外のお金の預け先」について知りたくて読んでいるのではないでしょうか。

最近、銀行や保険会社で多く販売されている「外貨建て保険」という商品、聞いたことはありますか?

生命保険には、外貨で運用する外貨建て保険という商品があります。預貯金より多くの収益が見込めて、株式を含まない運用なので投資の初心者でも選択しやすい商品です。

  • 銀行や保険会社が販売する外貨建保険って、本当に良い商品なの?
  • 他の投資とどんな違いがあるの?
  • 円安の時に始めたら損するのでは?

このような外貨建て保険の疑問にお答えします。

貯金以外の商品でお金を貯める時、想定以上にふえるのは大歓迎ですが、想定外の損失が出ることは避けたいですよね。外貨建て保険に限らず、貯金以外の商品にお金を預ける時は、その商品の特徴や預貯金にはないリスクをきちんと知っておかないと、後で思いがけないトラブルになる可能性があるので注意が必要です。

まずは、外貨建て保険の特徴と、メリット、注意点について確認しましょう。

 

外貨建て保険の特徴

外貨建て保険は、保険料を外貨で支払い、満期保険金や死亡保険金、解約返戻金を外貨で受け取る商品です。たとえば、毎月100ドルの保険料を支払い、満期保険金は50,000ドル。というように、希望する掛金額や将来必要な金額に合わせて設計します。

「毎月100ドルを支払う」といっても、日本に住んでいる私たちは日本円を使って支払うことが一般的です。そのため外貨を日本円に換算した金額で保険料を支払います。

つまり為替レートが変われば、支払う保険料も都度変わるということです。保険金を受け取る時も同様で、50,000ドルを日本円に換算した金額で受け取ります。そのため外貨建て保険をはじめるために、外貨の現金や外貨預金の口座は必要ありません。

保険の種類には、一生涯の死亡保障がついている「終身保険」、一定期間の死亡保障が付いている「養老保険」、決まった年齢から年金を受取れる「個人年金保険」などがあり、同じ外貨の運用でも保険の機能に違いがありますので自分に合ったものを選択するのが重要です。

また通貨の種類はアメリカドルが一般的ですが、オーストラリアドルやユーロもあり、この後詳しくお伝えする「金利の高さ」や「為替変動リスク」等を比較して選択します。

 

外貨建て保険のメリットは「金利」と「保障」

日本に住んでいて、日常生活の中で日本円以外の通貨が必要になることはまずありません。それでも外貨でお金をためることにはどんなメリットがあるのでしょうか?

その答えは、皆さんが既に感じている「貯金しても金利が低くて全然お金がふえない」という点に大きなヒントがあります。

日本でもバブル期には年利7%、8%という定期預金が存在しましたが、2023年現在ではメガバンクの10年定期預金金利は0.2%。金利が約40分の1になったということは、お金がふえるスピードが40分の1になったということです。

そこで外貨建て保険のメリット「金利」について紹介します。

外貨建て保険で最も多い運用通貨である米ドルは、米国の「債券」という金融商品でお金を運用するのが一般的です。債券は定期預金に少し似ていて安全性の高い運用商品です。満期が決まっていること、満期までの間決まった利息収入があることが特徴です。

例えば米国の10年満期の国債金利は約4%です(2024年3月時点)。低金利の日本の銀行預金と比較して、相対的に金利が高いことがよくわかります。

金利の高い外貨建て保険にお金を預けた場合、私たちが受けられるメリットは大きく3つです。

①貯蓄性が高いこと

同じ金額のお金を預けるなら、金利が高い方がお金はふえます。
教育資金や老後資金など、使う時期が決まっていて10年以上の期間お金を貯めるのであれば貯金と比較して大きな資産を作ることが可能です。
「貯金より金利の良い商品」を探している人の選択肢に入れてほしい預け先です。

②保険料が割安なこと

同じ保険でも、日本円で保険料を支払う保険商品と比較して、負担する保険料が安くなるのも外貨建て保険のメリットです。
例えば、35歳男性で1,000万円の死亡保障の終身保険を例に比較してみます。

  円建て 外貨建て(米ドル)
保険金額 1,000万円 77,000米ドル(=1,001万円)
月払い保険料 24,170円 147.99米ドル(=19,239円)

※1米ドル=130円、払込期間30年で試算

最近の為替相場は円安傾向ですが、それでも外貨建て保険の支払い保険料は円建ての同じ商品と比較して20%以上安いです。
支払う保険料が安い理由も、「金利」です。
金利が高いと運用の収益が見込めるので、この収益の分、値引きしてもらえると考えると分かりやすいですね。

③保障が付く

教育資金や老後資金の一部を保険で積み立てている人はとても多いです。
私自身も、就学前の小さな子供がいるので保険を活用した積立をしています。
ただお金を貯めるだけでなく、長い積立期間の途中で万一死亡した場合、保険金という大きなお金を家族に残すことができるのは、他の金融商品との大きな違いです。
貯金にはこのような保障がないので、万一の時の教育資金や老後資金不足のリスクがあります。  

外貨建て保険の注意点は「為替変動リスク」と「諸費用」

高い金利で運用される外貨建て保険にはメリットがある反面、貯金や円建て保険にはない注意点もあります。
これからお伝えする3つの注意点についてしっかり理解することが大切です。

①為替変動リスク

保険に限らず外貨預金や投資信託、外国株式などの金融商品に共通するリスクです。日本に住む私たちが外貨や外国資産にお金を預けると、「為替変動」のリスクを受けます。例えば、外貨建て保険の10万ドルの満期保険金は、1ドル=130円の時には1,300万円の価値がありますが、1ドル=100円の時は1,000万円です。

満期の時に円安だと沢山のお金がもらえます。反対に円高の時に受け取るとその価値は下がります。この、良い時も悪い時も含めて、為替レートにより価値がかわることを「リスク」と呼びます。

②諸費用がかかる

外貨建て保険は、外貨の現金を持っていなくても、外貨預金の口座を持っていなくても、円建て保険に加入するのと同じように手間なく加入できます。その反面、円建て保険にはない諸費用が発生します。

具体的には、円と外貨を交換する「為替手数料」や「契約締結費用」、早期で解約した場合の「解約控除」等で、商品によりかかる諸費用が異なりますので申込をする前に必ず確認しましょう。

③早期解約

外貨建て保険は、短期の資産形成にはおすすめしません。
前述した「解約控除」がかかることに加え、短期で解約すると高金利の恩恵を受けられなくなるからです。
高い金利で運用できても、その期間が数年だと収益がごくわずかで、諸費用の方が多くなるケースもあります。

後にトラブルにならないよう、注意点もしっかり把握して加入を検討しましょう。

外貨建て保険のリスクと上手く付き合う方法がわかれば、安心して資産形成ができると思いませんか?

リスクは放っておくとリスクのままですが、工夫することで大きく軽減できることができます。外貨建て保険を検討している方に必ず伝えている、簡単なリスク軽減の方法をご紹介します。  

為替変動リスクを軽減するために「積立」を選択する

実は外貨建て保険のトラブルで最も多いのが、70歳以上の高齢者で、1,000万円程度のまとまった資金を一括で預けて加入したケースです。

一括で預けると、為替変動リスクの影響を大きく受けます。
円高の時に一括で預けて円安の時に受け取れば良いのですが、円安の時に一括で預けて円高の時に受け取ると、外貨建てで増えていても円に換算すると元本割れする可能性があります。
この、良い時と悪い時の差が大きいのは、リスクが高いということです。

そして、今が円安か円高かは、「受け取る時までわからない」のです。受取る時までわからないのであれば、受け取るまでの期間ずっと預け続ける。つまり一括ではなく「積立」でお金を預けることが為替変動リスクと上手く付き合うコツです。

高齢者は運用期間が短く、まとまった資金もあるので一括を選択しがちですが、毎月お給料をもらっている現役世代の方であれば、積立で時間をかけて貯めることが為替変動リスクを抑えることに繋がります。

保険には一括で預ける「一時払」の他に「年払」「半年払」「月払」という払い方がありますので、分割して預けることを考えましょう。

また、このような方は「外貨受け取り」を選択肢に入れると、よりリスクを軽減できます。

  • 海外旅行をする
  • 子供の留学資金が必要
  • 老後は海外に移住したい

外貨建て保険の殆どの商品は、外貨預金の口座があれば、外貨のまま満期保険金や解約返戻金を受け取ることが可能です。
外貨受け取りを選択すれば、受取時の為替相場の影響を受けません。

このようにリスク対策をした上で、金利が高い、利回りが高い商品を選択してお金をためると、貯金を頑張るよりも少し楽にお金を貯めることができます。

このまま貯金を続けるのと、外貨建て保険でお金をためた場合で将来の資産に大きな差が出るのであれば、しっかりリスク対策をした上でスタートしたいですよね。  

外貨建て保険が向いている方

  • 万一の保障を確保しながら、外貨で資産形成をしたい人
  • 分散投資の一環として外貨資産を保有したい人
  • 将来的に留学や移住で外貨を使用する予定がある人

資産の一部を外貨で持つことになるため、外国株式ほどのリスクは取れないものの、外貨預金よりは高いリターンが欲しい人に向いています。
また、将来的に海外で外貨を使用する人やすでに外貨を保有している人は、為替レートの変動の影響を受けにくいため向いているといえます。

逆に、メリットや注意点が理解しきれていない人には不向きです。興味はあるけど商品の理解に自信がない時は専門家に相談しましょう。

 

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ご負担いただく費用とリスクについて(生命保険の留意事項)

生命保険にかかる主な費用とリスクは以下のとおりです。ご負担いただく費用やその料率およびリスクの内容は、 商品によって異なりますので、詳しくは各商品の「パンフレット」「ご契約に際しての重要事項(契約概要・注意喚起 情報)」「ご契約のしおり・約款」などでご確認ください。

●生命保険をご契約された場合、主に次のような費用をご負担いただきます
保険関係費用 保険契約の締結・維持に必要な費用および死亡保障などに必要な費用
運用関係費用 投資信託の信託報酬や信託事務の諸費用など、特別勘定の運用により発生する費用
解約控除 解約時や減額時などに、経過年月数に応じて積立金額などから控除する費用
※上記に加え、外貨建保険については、通貨交換時に為替手数料をご負担いただきます。 また、外貨によりお払込みまたはお受取りいただく際は、金融機関所定の手数料(リフティングチャージなど) をご負担いただく場合があります。
※ご負担いただく費用の合計額は、上記を足し合わせた金額となります。

●生命保険には商品の種類によって主に次のようなリスクがあります
価格変動リスク 変額保険など、国内外の株式・債券などで運用を行い、その運用実績に応じて積立金額などが増減する商品では、株価や債券価格、為替の変動などにより、積立金額や将来の年金額、解約返戻金額などが既払込保険料を下回ることがあり、損失が生じるおそれがあります。
為替リスク 外貨建の商品では、為替レートの変動により、受取時における保険金の円換算額が、契約時における保険金の円換算額や既払込保険料の円換算額を下回ることがあり、損失が生じるおそれがあります。
金利変動リスク 商品によっては、運用対象となっている資産(債券など)の市場金利に応じた価値を解約返戻金に反映させるしくみになっています。そのため、解約時の市場金利の変動によっては、解約返戻金が減少し、既払込保険料を下回ることがあり、損失が生じるおそれがあります。

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